零戦と一式戦闘機について

こんにちは☆

今回は第二次世界大戦の頃の日本の戦闘機、主に海軍の零戦と陸軍の一式戦闘機について書いてみようと思います。この両者は開発時期がほぼ同じで、ほぼ同じエンジンを搭載していたこともあってよく比較されます。

個人的な趣味もありますけども。
今から約70年ちょっと前の頃の戦闘機というのはプロペラで飛ぶものが主流でした。
第二次大戦の終わり頃にやっとこさ初期のジェット機が登場するわけですが、初期のジェット機というものはまだまだ完成度が高くなく、色々と欠点も多かったのです。
日本の戦闘機も色々とありますが、当時はまだ空軍というものが無く、日本軍の航空隊というのは陸軍管轄のものと海軍管轄のものがありました。陸軍航空隊と海軍航空隊では設計が全く異なる航空機を使用していたのです。

当時の日本軍は陸軍はソ連を、海軍は米軍を仮想敵国として軍備を整えていました。
海軍は基本的には艦艇を使い、大海原で戦うことを前提に軍隊を整備していたわけですが、陸軍は太平洋を舞台に戦争することを想定していない軍隊だったわけです。

まず何が違うかと言うと、陸軍の航空機は海の上を飛ぶように設計されていません。
なので何も目標の無い洋上を飛ぶには不向きでした。方位を測定する機器などは搭載されておらず、地形を目印に飛んでいたのです。

また、海軍の航空機というのは万が一墜落した場合は海の上に落ちるということを想定し、機体の内部に浮き袋がありました。
なので水の上に落ちてもすぐに沈没はしません。
これに対して陸軍の戦闘機などはすぐに沈んでしまいます。
海軍の航空機というのは陸上で運用する機体と航空母艦から発進するのを前提に設計されているものがあり、後者を艦載機と言います。陸上機はまだしも、艦載機となると面倒で、空母から離発着するための機能が必要になります。
それらの関係で艦載機というのは陸上機に比べるとそのための機能のぶんだけ重くなってしまうのです。
太平洋戦争開戦からしばらくは無敵を誇った海軍の零戦(零式艦上戦闘機)でしたがこれは艦載機であり、空母からの離発着を目的に開発された戦闘機なんですねー。
実はこの零戦、コストは比較的高く、製作にはかなり手間がかかったと言います。
それでも艦載機という性質上、大量には生産しないだろうということからの採用だったとされます。
それが結局海軍は零戦の有効な後継機の開発に失敗し、どんどん新型が登場する戦場で旧式化していく零戦を使い続けねばならなかったのです。
それでも零戦は新型が登場するまでの繋ぎという名目で改良が重ねられていきます。
性能向上は果たしていますが、それでもかなり無理をしているのは事実でした。
艦載機であるためもともと色々と付属する機能が原因で重くなる。それでも軽快な運動性能を手に入れるために凄まじい軽量化を行う。零戦が開発された時代は戦闘機の戦いというのは格闘戦が主流だったため、運動性能はとても重視されたのです。
凄まじいまでの軽量化のため機体はそんなに強度が高くなく、防弾能力もほとんど無い。広い海原の上を長く飛べるようにするために大量の燃料を搭載できるように設計されていますが、この燃料タンクも防弾性能が無い。

零戦52型A6M5

文字通り撃たれればたちまち火を吹くと言われています。
それでも軽快な運動性能は脅威であり、熟練パイロットの駆る零戦は各地で米軍を圧倒していきました。
一時は米軍では「ゼロに遭遇したら格闘戦はせずに逃げろ」とまで言われていたそうです。
それがある時、不時着した零戦を米軍が見つけて回収することができたんですね。調査した結果、零戦の防御力が極めて低いこと、機体の強度が高くないため、急降下するとついていけないことなどが判明してしまう。そこから米軍のパイロットは零戦と遭遇しても格闘戦をせずに高速で一撃離脱する戦法に切り替えていくようになります。こうなると戦闘は一気に米軍優位になっていきます。

戦争が後半に入ると日本軍は劣勢になっていき、熟練パイロットを多く失うようになります。こうなると強い戦闘機隊を組織できなくなるので、ここに来てようやく海軍は防弾というものを重視するようになります。
パイロットを守るための装備なのですが、基本的には防弾板や防弾ガラスを追加したりということになるわけで、これがさらに重量を重くさせてしまうのです。
海軍は零戦の後継機をうまく開発できなかったため、時代遅れの機体に重い防弾装備を追加せざるを得なくなりました。
それで零戦という戦闘機は更に重くなってしまって飛行性能がどんどん落ちていきました。
この頃には守勢になっているので、あまり遠くへ飛んで行かねばならない作戦は減っていましたが、登場当初のような格闘性能はすでに零戦からは失われていました。
それでもなんとかしてそれを駆使して戦争を継続したのです。

これに対して陸軍の一式戦闘機は全く異なる進化を遂げていきます。
まず一式戦闘機が開発される直前、日本陸軍はノモンハンでソ連軍と大規模な空中の戦闘を経験します。
その経験から一式戦闘機は戦場で得られた教訓が多く盛り込まれました。

例えば防弾について。陸軍は早くからパイロットの防御ということに着目しており、一式戦闘機は米軍機相手ではやや不足ではあるものの防弾装備を持っていました。燃料タンクはセルフシーリング式の防弾タンクであり、火災からパイロットを守るために胴体には燃料タンクを搭載しませんでした。
また、海軍の零戦は零戦だけで戦闘機も爆撃機も相手にするために重武装していたのに対し、一式戦闘機は基本的には戦闘機相手に特化した設計となっています。(爆撃機を相手にするために二式単座戦闘機が開発されている)
このために零戦に比べると軽武装となっています。
おかげで軽い。
戦争後期になっても陸軍の一式戦闘機は武装を強化するということはせず、エンジンが強力なものになっていきます。このため攻撃力は変わらずに飛行性能はどんどん高くなっていく。

ちなみに陸軍の一式戦闘機の武装は12.7㎜機関砲2門のみという貧弱なものでしたが(零戦は20㎜機関砲2門、7.7㎜機銃2丁。後期の機体は更に武装強化したタイプがある)、この12.7㎜機関砲というのが炸裂弾を使用する威力の高いもので、当時のパイロットの中には「武装の貧弱さは感じなかった」との声もあります。
また陸軍の戦闘機は基本的には地上部隊と連携することを目的にもしていますので、爆弾の搭載可能量が海軍の戦闘機より大きいという特色もあります。

一式戦闘機キ43

どちらも最後まで旧式化しながら戦場で酷使され続けた戦闘機。
その最後は零戦も一式戦闘機も特攻によってより悲壮感の強いものになっていきました。

戦後、映画などでは海軍の話が多くとりあげられ、陸軍の航空隊の話はどちらかと言えば地味な印象を受けます。

これはいわゆる海軍善玉論などが関係しているように思います。
「悪いのは陸軍で海軍は最後まで開戦に反対だった」という話がありますが、結局のところはどちらが善であるとか悪であるとかなどということは無いと私は思いますがね。

それでは今回はこのへんで☆

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