自衛隊に空母が配備されるのか

こんにちは☆

今回は海上自衛隊のお話です。

2009年、海上自衛隊に「ひゅうが」という護衛艦が配備されると「自衛隊は空母を建造するのか」とちょっとした騒ぎになりました。本来、ひゅうがはヘリコプター搭載型の護衛艦ですが、全甲板型という形状から誤解を招いたようです。最大で11機のヘリコプターを搭載できる「ひゅうが」は、災害派遣などにおいて、より効率的なヘリの運用を目的として建造されたものでした。

そして、今、ひゅうがをベースにさらに大型化した護衛艦「いずも型」が注目されています。

自衛隊のヘリ空母

いずも
【※いずも型護衛艦】

2017年末、「いずも型」護衛艦に、航空自衛隊の次期主力戦闘機に採用された「F-35 ライトニングⅡ」の派生型であるF-35Bを艦載する可能性があるということがニュースになりました。このニュースそのものは可能性があるだけという、ぼんやりとしたものでしたが、いずもにはそのニュースの信頼性を高めるだけの説得力があるんです。

先に建造、配備されたひゅうがの全長が197m、全幅が33mだったのに対して、いずもは全長248m、全幅38mと一回り大きい。中国海軍の空母「遼寧(りょうねい)」の全長305m、全幅78mと比較すると小さいのですが、ヘリ空母として運用するには十分すぎる大きさです。いずもはヘリを最大14機搭載できることから、事実上の空母だと指摘する声も多くありました。

確かに甲板はより簡素化されて、その分、有効に使える面積の割合もひゅうがより向上しています。さらに武装もひゅうがに比べて簡略化されているため、空母としての能力に特化した護衛艦となったんです。

合憲か違憲か

ひゅうが
【※ひゅうが】

現在就航しているいずも級の「いずも」と「かが」は、ヘリ空母としてはちょっと大きいですね。大きすぎるといってもいいくらいです。海上自衛隊が保有する護衛艦のなかでも最大クラスです。物理的に戦闘機を搭載することは可能ですが、もしそれが現実化すれば「集団的自衛権がどうのこうの」などという議論を吹き飛ばすほどの話題になることは間違いありません。

なぜなら、空母とは敵国への攻撃を目的とした艦であり、本国から離れた場所へ攻撃を加えることが出来るからです。これは憲法9条に抵触しますね。この点についてはすでに議論がされていて、政府も「攻撃型空母の保有は違憲」という見解を示してきました。では、攻撃型ではない空母とはなんなのかというと、いずものようなヘリ空母になります。こうなってくると卵が先か鶏が先かというレベルですが、実際にそういったジレンマを抱えて就役したのがいずもでした。

艦載機の違い

遼寧
【※中国海軍の空母・遼寧】

空母の装備といえば、カタパルトが思い浮かびます。

アメリカ海軍の最新原子力空母「ジェラルド・R・フォード」では、短距離での離陸を可能にした世界初の電磁式カタパルトを装備したり、中国海軍の遼寧でもカタパルトの代わりに短距離で艦載機を離陸させることが出来る「スキージャンプ甲板」を採用しています。

では、いずもの場合はどうなるのかというと、電磁式カタパルトもスキージャンプ甲板も必要ありません。艦載機として短距離で離陸できて、垂直に着陸できるF-35Bを導入すればいいからです。F-35Bは、アメリカ海兵隊向けに開発されたF-35の派生型のこと。着陸のときは機体後方の排気ノズルを90°下方に曲げることで垂直着陸を可能としました。もし、いずもに配備するとなれば8~12機は搭載できるといわれています。

兵器としてのコスト

垂直着陸中のF-35B
【※垂直着陸中のF-35B】

もし、仮に憲法の問題をクリアしたとしても、日本が攻撃型空母を保有するのは現実的ではないと思います。いくつかの理由がありますが、航空自衛隊に配備が始まった空軍向けのF-35Aよりも、F-35Bのほうが航続距離が短いという点が挙げられます。機動性も劣る上に兵器の搭載量も少なく、それでいて構造が複雑なため整備も難しいとなると困ります。

さらに価格もA型の約107億円より、約30億円も高くなってしまいます。また、艦載機という戦後の日本では誰も操縦したことのない機体なので、パイロットの育成にも時間がかかるでしょう。

それならば、空中給油機を導入してA型の航続距離を延ばしたほうがいいということです。

自衛隊に空母は不要?

空母は単体では運用できません。航空機を搭載する空母は武装を犠牲にして艦載機の数を一機でも増やそうとしていて、それを補うために空母を守る護衛艦が必要になってきます。アメリカ海軍でも、空母を中心に巡洋艦や駆逐艦などで構成された「空母打撃群」を1パッケージという単位で運用しており、日本にはそうしたノウハウもなければ予算もありません。

こうした理由から、日本の護衛艦から航空機が飛び立つことはないでしょう。

実は戦後になり、これまでにも何度か海上自衛隊への空母導入の話は持ち上がったことがあります。しかし、その度に話は流れ、今日にいたるまで実現していません。

終わりに

空母が一番能力を発揮するのが、敵国への先制攻撃を行う場合です。本土から遠い場所で、いかに制空権を確保するのか。その問題を解決してくれるのが空母で、仮に離島防衛の名目でも日本の領海内なら空母は真価を発揮できないことになります。そう考えると自衛隊にとって空母は必要ないですね。

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