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ABS樹脂とヘビーウェイトプラスチックの違いは?エアガンの構成素材について

こんにちは☆

 

今回はちょっとマニアックな内容となりますが、普段サバゲーに使用しているエアガンを構成している素材についてのお話をしてみようと思います。

この部分は非常に重要で、何で作られているのかということを知っていると取り扱いに注意を払いやすくなりますので良いのではないかと思います。

 

それではまいりましょう!

 

主なエアガンの構成素材

 

ではいきなりなのですが、一般的なエアガン(この場合はエアコキガスガン電動ガンをすべて含みます)が何で作られているのかと言いますと、そのほとんどはABS樹脂とヘビーウェイトプラスチック(HWと略す)で作られています。

 

これらはなぜエアガンというものに使われているのか?それにもちゃんとした理由というものがあります。

というのは、素材というのは色々な特性を持っていたりするわけで、それによって「この素材ならば用途に最適だろう」という考慮がなされているわけです。

例えば電動ガン。近年の電動ガンは質感や強度を出すために金属の部品が多用されていますが、古いスタンダートタイプの電動ガンは外装のほとんどがABS樹脂であることが多かったです。

 

エアガンの場合は屋外でのサバゲーなどの激しいアクションを伴う遊びに使われることがありますから、あまり脆い素材では作れないわけです。

部分的には強度の低い素材が使われることもありますが、それはあくまでも部分的な話。

 

そのあたりを個別に見ていくことにしましょう。

 

 

エアガンに使用されるABS樹脂について

国産の多くのエアガンは全般的にほとんどはABS樹脂によって構成されています。

ABS樹脂とはアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの頭文字を取った名称。

ではなぜABS樹脂がエアガンに使用されるかと言いますと、それはずばり「コストが低くて強度が高い」からです。

非常に弾力があり、曲げる力に対しての強度が強い。

表面が美しく平滑であり、プリントを施すにも適している。そして耐衝撃性にも優れていて加工しやすい。

 

こうした理由から通常の一般的なプラスチックよりも強度が高いのでエアガンの構成素材として用いられているわけです。

 

欠点としてはプラスチックではあるために質感があまり良くないということ。

特に銃器を再現するには美しい表面を再現できるものの質感は金属感が弱い。

このためエアガンメーカーはABS樹脂での構成部分を塗装などを施して対応しています。

 

また、ABS樹脂は長時間、長期間にわたって直射日光にさらすと劣化すると言われています。劣化すると新品のときよりも強度が落ちるといったことが起こります。

 

古いエアガンの外装が脆くなってくるというのは、おそらくはこのためだと思われます。

エアガンに限らず、玩具を含めた色々なものに使用されている素材です。

そして複数の物質を混合して作られているので、それらの混合比率を変えることで特性がやや変化するようです。

もっとも、エアガンに使用されているABS樹脂は、大体どこのメーカーのものもそれほど大きな違いは無いのではないかと思います。

マルシン製のガスガンであるスーパーブラックホーク。これはヘビーウェイトモデルだ。

アウターバレルが非常に長い関係でかなり重量感がある。

エアガンに使用されるヘビーウェイトプラスチックについて

 

続いてHWプラスチックについて。

これはプラスチックに重金属の粉を混ぜ込んで重量を大幅に増した素材です。

主にモデルガンや一部のガスガンに使用されています。

HWプラスチックは金属粉が混入されているおかげでABS樹脂に比べると遥かに重いです。それに加えて質感も何となくプラスチックというよりはひんやりした手触りで金属を思わせる感触があります。

こうしたことからも「よりリアルな質感」のエアガンやモデルガンに使用されるわけです。

 

しかし欠点もあり、ABS樹脂に比べるとかなり強度が低く弾力が弱いという特性があります。

強い力を加えたりすると、折れてしまったりしますので取り扱いにはちょっと注意が必要です。

近年のHWプラスチックは、以前のものよりも改良が進んでいて強度も向上していると言われていますが、それでもABS樹脂に比べると強度不足は明らかにあると思います。

HWプラスチックの表面はABS樹脂ほど平滑ではないと言われており、なんとなく艶消しの仕上がりのものが多いような気がします。

強度が向上してきた証拠というわけではないのですが、以前はHW樹脂は主に可動があまり大きくない固定スライドのガスガンやリボルバータイプのガスガンに多く使用されてきました。

しかし、近年では一部のガスブローバックガンにも使われるようになってきています。

 

衝撃などにそれほど強くないとされるHWプラスチックですが、ガスブローバックの銃に使用されるようにまでなったということは改良が進んでいるということでもあるのでしょう。

ABS樹脂やHWプラスチックの加工。エアガンの外装加工や補修について

 

では気になる加工についてのお話。

ABS樹脂を加工する場合はプラモデルを加工するときとほぼ同じ要領で可能だと思います。

 

ABS樹脂用の接着剤もあり、独自の形を自作してエアガンに取り付けることも可能でしょう。

接着剤の存在は非常に大きいもので、これのおかげで破損したエアガンの外装を場合によっては補修することもできます。

 

そういえば少しだけ話が逸れるのですが、以前に私は海外製のAK47用マガジンを購入したことがありました。

私が持っている東京マルイ製のAKに使用するためです。

ところが、マガジンキャッチに引っかかるツメの部分の規格が異なり、マルイ製のAKに使用すると給弾不良が起きました。

マガジン側のツメの厚さが足りずに、マガジンをしっかりと固定できなかったのです。

 

これに対応するため、マガジン側のツメ部分にABS樹脂の板を張り付けて削り出し、厚さを増すことで事態を解決しました。

ABS樹脂の板は、そのままプラ板のように板としても販売されていますが、私はこの時は大きな加工をするわけではなかったので破損して復旧不能になった古いエアガンの部品からABS樹脂の小片を切り出して使用しました。リサイクルです(笑)

 

続いてHW4プラスチックですが、これは金属粉が混入している関係で接着剤がなかなか使えません。

おそらく瞬間接着剤のようなものでしかくっつけることができないのでは?と思います。

 

 

ABS樹脂やHWプラスチックの接着について

接着剤の知識なのですが、接着剤というのは概ね2通りあります。

一つは溶融型というタイプ。これはくっつける対象となる素材の表面を溶かして融合させるように接着します。

プラモデルなどに使用されるタイプがこれに当たります。ABS樹脂用の接着剤もこの溶かすタイプになります。

使用する際は接着しない部分に接着剤が付かないように注意しないといけません。

不用意に付着すると表面が溶けるので外観がきれいではなくなります。

 

もう一つが「接着剤自体が固まって素材をくっつける」タイプ。

これは素材の表面を溶かさずに接着します。

木工用ボンドとか瞬間接着剤がこのタイプになります。

素材が溶けてくっつく溶融型に、比べると、一体化している感じは弱いので強度は低くなると思います。

(ただし木工用ボンドのように木材にある程度浸透して接着する場合は強度がかなり強い。プラスチックは素材に接着剤が浸透しないので、まさに表面だけでくっついていることになるので強度が高くならない)

 

このことからもわかるようにHWプラスチックはABS樹脂に比べると加工するにはあまり適さないように思います。

当然ですが破損した部分を補修するのも難しいということになりますね。

近年でがホームセンターなどで超強力接着剤というのが販売されています。

多用途接着剤として粘着力がかなり強く、接着剤そのものが弾力があるタイプもあります。

これらをうまく使えばHWプラスチックもしっかり接着できるかもしれません。

ただ、エアガンは激しく動く箇所もありますので、そういう部位は高い強度の接着を行うのは難易度が高いと言えます。

 

 

余談となりますが

そういえば近年、HWプラスチックにちょっとした変化がありました。

強度が向上してきたというのは先ほど触れましたが、それとは別に着色が可能になってきたようです。

以前はHW樹脂というのは金属粉の混じったグレーのような表面色だったのですが、最近は銀色のものが出て来ていますね。

マルシンのガスリボルバーなんかに銀色のHWプラスチックのものがあったと思います。

これってすごい進歩なのではないかと思います。

表面はやはりHW樹脂のそれなのですが、塗装ではなくて成型色そのものが銀色というのは大きな変化だと思います。

 

この着色による強度低下とかはあまり聞かないので、従来のものと同程度の強度があるのではないか?と思います。

 

こうしたことは技術の発展に伴って進歩していくものですから、近い将来にはHW樹脂でありながらもABS樹脂並みの外観と強度を獲得できるようになるかもしれませんね。

 

その他のエアガン構成素材

ABS樹脂とHWプラスチックを見てきましたが、このほかにもエアガンに使用されているものがあります。

一番多いのがアルミ合金。アルミと他の金属を混合したものを鋳造したもの。

鋳造とは溶けた状態のものを型に流し込んで製作される製法です。安くて大量に生産が可能であり、高い精度の部品を製作できます。

古くなると白っぽく変色したり、粉を吹いたようになります。強度が脆くなってしまうことがあり、保管されている状態によってはかなり早く傷む場合があります。

 

それからごく少数ではありますがスチール。

いわゆる鉄製の部品なのですが、これは銃刀法の関係で使用できる箇所が限定されているはず。一定以上の強度のある部品を特定の箇所に使用してはいけないというような規制があったと思います。

まぁ鉄ですので、基本的にはよく錆びます。

管理によっては簡単に錆びますが、逆にこの錆びる感じがリアルとも言えますので人気がある素材でもあります。

ただ、スチールを含めて金属製の構成素材は、基本的には使い方によっては違法となるケースがあるので注意が必要ですね。

 

このあたりはモデルガンの違法改造の項目にある程度詳しく掲載していますので参照してください。

 

 

現在発売されているエアガンでご紹介

 

タナカワークス製のコルト380。ガスブローバックでありながらヘビーウェイトプラスチックでできています。

このモデルは比較的小型のハンドガンなのですが、HW樹脂を使用していることからかなりずっしりとした重量感があります。

スライドが重いと反動も強くなるということかもしれませんね。

そういえばこのタイプのハンドガンって、昔の日本のアクション映画なんかによく使われていたように思います。

 

こちらはマルシン製のポリスリボルバー。日本の警察が使用している拳銃をモデルにした機種で、これもわりと小型です。

しかしやはりHWなので重量感はしっかりあります。

以前は8㎜口径のガスガンとして発売されていましたが、現在は6㎜口径のものとして発売されています。

 

タナカワークスのM29リボルバー。非常に大型で、実銃は44口径。いわゆるマグナムリボルバーと呼ばれるやつです。

これは非常に大きな機種であることと、HWプラスチックのおかげでものすごい重さを感じます。

ここまで重いとちょっと使いにくいんじゃない?というくらいです。

映画「ダーティハリー」の主人公であるハリー・キャラハンが使用することでも有名ですね。

 

ABS樹脂とヘビーウェイトプラスチックの違いは?まとめ

 

ということで今回はエアガンの構成素材についてのお話をしてみました。

色々な素材があるわけですが、主に2種類ということですね。

これらの素材の特性をよく理解して、上手に取り扱うことができれば大事なエアガンを長くきれいな状態で使うことができると思います。

また、ちょっとした外観のカスタムや破損個所の補修もできるかもしれません。

 

こうしたことは知識として覚えておいてもいいも決して損ではないです。自身が取り扱うエアガンのことを少しでもしっかり知っておいて、間違いのない確実な取り扱いをしましょう。

 

 

それでは今回はここらへんで☆

 

 

 

 

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