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航空自衛隊のパイロットと戦闘機

今回は「航空自衛隊のパイロット」について紹介しよう。

【パイロットのイメージ】

筆者が昔、航空自衛隊のパイロット(戦闘機パイロット)に憧れたのは、単純に「カッコイイ」ということだ。
そして、高校時代は「カッコイイ」に付け加えて「安定する」からという理由だった。
以前は「なりたい職業ランキング」の中にもパイロットは入っていた。
パイロットに憧れる若者は誰しも少なからず「カッコイイ」という理由が入っていると思う。
筆者が入隊した頃は「TOP GUN」という映画の影響はまだ残っていた。
私もその映画に出ていたトム・クルーズのようになりたいという憧れもあった。

自由に空を飛び回る
どんな状況でも冷静沈着
空の外交官

そんなイメージがある航空自衛隊のパイロットだが、その一方で

戦闘機パイロットになれるのはほんの一握りのエリート
視力が良くないとなれない
学校はもちろん進学校じゃなければならない

そんなイメージもあるだろう。
そんなイメージの大半が「イメージ」の域を超えていないと感じる。
それでは、実際パイロットになるにはどうしたら良いのだろうか。

【戦闘機パイロットになる方法】

さて、ここでは筆者が経験した「戦闘機パイロット」に絞って紹介しよう。

戦闘機パイロットになりたいと思うタイミングによって、パイロットまでの道のりは若干変わってくる。
もし中学生、高校生の時点で戦闘機パイロットを目指した場合、どのような道を辿ってパイロットになるのだろう。
第一線の戦闘機部隊に配属されるまでの過程を大まかに説明すると以下のようになる。

順当にいけばこのような道を辿り、戦闘機パイロットになる。
もちろん、受験からそうだがそれぞれの訓練課程で脱落していく者は、たくさんいるがその中を「勝ち抜いて」(この表現が正しいとは言えない)戦闘機パイロットの称号を手に入れることになる。

【航空学生の受験】

まず、航空学生とは、”高校卒業又は中等教育学校卒業者(見込みを含む)、高専3年終了者(見込みを含む)及び高校卒業をと同等以上の学力があると認められる男女を対象にした、海上自衛隊・航空自衛隊のパイロット等を養成する制度。
入隊後は「航空学生」として、全員が学生宿舎で規則正しい団体生活を送りながら2年間の基礎教育を受け、続いて飛行訓練を中心としたそれぞれの段階の操縦課程に進む。”
(自衛官募集ホームページより)と言うものだ。

この航空学生になるためには、受験が必要となるわけであるが、航空学生の試験は3次試験まである。
1次試験は筆記試験及び適性検査、2次試験は航空身体検査、口述試験(面接)、適性検査、3次試験は操縦適性検査及び医学適性検査といった内容になっている。
受験の受付期間は、毎年7月頃から9月頃までとなっている。
そして、1次試験が始まるのが9月頃からだ。
そのため一般の大学受験に比べ早い時期から試験がはじまるので、「ダメもとで受ける」ということも可能になるのではないだろうか。
3次試験まで行くことができれば、操縦適性検査で実際にプロペラ機(T-7)の操縦ができるのだから、記念受験もありではないだろうか。

【受験に対する姿勢】

本気で「パイロットになりたい」と考えている人は過去問題集等をみてわかるだろうが、1次試験における学科は正直いって難しくない。
筆者が受験したころは少なくとも「簡単」だった。
これはあくまで個人の意見だが、東大や京大を受験するのとは全く違う。
ある程度の基礎的な学力があれば合格できるレベルだ。
だからといって全く勉強しないで受けるのはどうかと思うが・・・。
要はどんな人でも「やる気になれば筆記試験はクリアできる」というレベルということだ。
戦闘機パイロットは全員もれなく優秀な頭脳(勉強という面で)を持っているわけではない。

そして、1次試験をクリアできた後は勉強をする必要がないのだ。
その後の2次試験、3次試験ともに準備してどうこうなるものではない。
(口述試験(面接)に関してはある程度準備をしたほうがいいかもしれないが。)
あとは身体的な適性と、操縦するための適正が問題になるので、「健康管理をする」や「飛行機の操縦のイメージをする」くらいの対策しかしようがないのだ。
案外気楽に過ごせるだろう。
このように、航空学生の試験とはおおくの人が思っているほどハードルが高いものではない。
いわば、適性さえあれば多少の努力で航空学生になるチャンスがあると考えてもいいくらいだ。
筆者自身、航空学生になるために必死で勉強したわけでもなければ、部活などで優秀な成績を残したわけでもない。
それでも最初から諦めることさえしなければ、戦闘機パイロットになれるのだ。

【最後に】

「戦闘機パイロット」とてもかっこよく聞こえるが、もちろん大変なこともたくさんある。
しかし、それ以上に空には感動もあるのだ。
戦闘機パイロットは全員がとんでもないエリートというわけではない。
誰にでもチャンスはあるということだ。
若者からの人気が年々減少している戦闘機パイロットだが、興味がある人は一度目指してみても面白いのではないだろうか。

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